新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に

新世紀エヴァンゲリオン TV

シーン

最後の美里

「いい?シンジ君。ここから先はもうあなた一人よ。すべて一人で決めなさい。誰の助けもなく」
 フェンスとミサトに挟まれるようにして逃げ場を失ったシンジは、ミサトの目を見れずに顔を下に向ける。
「僕は……だめだ。だめなんですよ。人を傷つけてまで、殺してまでエヴァに乗るなんて、そんな資格ないんだ。僕は、エヴァに乗るしかないと思ってた。でもそんなのごまかしだ。なにも分かってない僕には、エヴァに乗る価値もない。僕には人の為に出来ることなんてなにもないんだ!」
 シンジは、今までの出来事を思い出して呼吸を荒くする。
「アスカに酷いことしたんだ。カヲル君も殺してしまったんだ。優しさなんかかけらもない、ずるくて臆病なだけだ。僕には人を傷つけることしかできないんだ。だったらなにもしない方がいい!!」
 シンジは、力なく下ろした手でフェンスをぎゅっと握る。
「同情なんかしないわよ。自分が傷つくのがいやだったら何もせずに死になさい」
 ミサトは、肩を震わせるシンジに向かって言葉を強くする。
「今泣いたってどうにもならないわ!」
 シンジは何も言わずに下を向く。
「自分が嫌いなのね。だから人も傷つける。自分が傷つくより人を傷つけた方が心が痛いことを知ってるから……でも、どんな思いが待っていてもそれはあなたが自分一人で決めたことだわ。価値のあることなのよシンジ君。あなた自身のことなのよ。ごまかさずに、自分の出来ることを考え、償いは自分でやりなさい」
「ミサトさんだって……他人のくせに!何も分かってないくせに!!」
 涙を流して叫ぶシンジの言葉を聞いて、ミサトはシンジの胸ぐらに掴みかかる。
「他人だからどうだってのよ!あんたこのまま辞めるつもり!?今、ここで何もしなかったら、あたし許さないからね!一生あんたを許さないからね!」
 ミサトは、血で染まった手でシンジの顔を掴む。両手でシンジの頬を挟み、自分に目を向けさせる。
「今の自分が絶対じゃないわ。後で間違いに気づき、後悔する。あたしはその繰り返しだった。ぬか喜びと、自己嫌悪を重ねるだけ。でも、その度に前に進めた気がする」
 ミサトが泣きながらシンジの目を見つめる。
「いい、シンジ君。もう一度エヴァに乗ってケリを付けなさい。エヴァに乗っていた自分に、何のためにここにきたのか、何のためにここにいるのか、今の自分の答えを見つけなさい」
 ミサトはシンジの顔から手を離して、声を落とす。
「そして……ケリを付けたら、必ず戻ってくるのよ」
 そう言って、ミサトは首から下げたペンダントをはずし、シンジに手渡す。
「約束よ……」
 シンジは無言で唾を飲み込む。
「行ってらっしゃい」
 ミサトはゆっくりとシンジに近づくと、長いキスをする。
「大人のキスよ。帰ってきたら続きをしましょう」  その時、エレベーターのシャッターが開き、シンジは寄りかかっていた体重に足を取られて倒れ込むように中へ入っていく。シンジが何も言うことができないまま、エレベーターのドアは閉まり、そのまま階を進めて行く。
 シンジを送り出したミサトは、力尽き床へと倒れこむ。
「はぁ……こんなことなら、アスカの言うとおり……カーペット、換えときゃよかった。ねぇ……ペンペン」
 ミサトの血が、みるみるうちに床に広がってゆく。
「加持くん……。あたし、これで良かったわよね」
 ミサトの倒れている傍らにレイが立っている。次の瞬間、爆発が起こり、その場は炎に包まれてしまう。

Listen, Shinji. From here out you’re on your own. You’ll have to make the decisions by yourself, without anyone’s help. I… …can’t. I just can’t. If it means hurting other people, even killing, then I can’t pilot the Eva. I don’t have the right to do so. I thought I had no choice but to pilot the Eva. But I was just fooling myself. I don’t understand anything so I don’t deserve the Eva, either. There’s nothing that I can do for other people! I’ve done terrible things to Asuka, and I even killed Kaworu! There isn’t a shred of kindness in me, only dishonesty and cowardice! All I can do is hurt people! If so, I’d rather do nothing! I won’t sympathize with you. If you don’t want to get hurt, die without trying anything. Nothing will happen, even if you cry now! You hate yourself, don’t you? That’s why you hurt others. You hurt others because you know it will make you suffer more than simply hurting yourself would. But, no matter how you expect to feel, this was your own decision! It’s meaningful, Shinji! It’s about yourself! So stop lying to yourself, think about what you can do, and then atone for your sins yourself. You too, Misato! You are a stranger, so you can’t understand anything about me! So what if I’m not you?! Are you just going to give up now like this!? If you stay here and do nothing, I won’t forgive you! I’ll never forgive you as long as I live! I’m not perfect myself right now. I realize what I’ve done wrong, and regretted it later, repeatedly. That’s how I have been. It’s been a continuous cycle of hollow joy and vicious self-hatred. But each time, I felt like I took a step forward. Listen, Shinji! Pilot Eva once more and find yourself. Why did you come here? Why are you still here? Search for the answers yourself. And when you’ve found your answers, come back to me. Promise? Take care. That’s an adult kiss. Let’s continue when you get back. If I knew it would end this way… I should have done as Asuka said, and changed the carpet. Right, Pen Pen? Kaji… Did I do all right?

听好,真嗣君 接下来的就只有你自己了 一切你都要自己抉择 不会再有人帮你了 我…做不到 我做不到的 不惜伤人…甚至杀人都要去驾驶 EVA 我没那种资格 我,曾以为除了驾驶 EVA 外别无选择 但这根本只是在自欺欺人 一无所知的我连坐上 EVA 的价值也没有 我没办法为他人做任何事 我对明日香做了很过分的事… 连熏都被我杀死了 我一点也不温柔,狡猾又懦弱 我只会伤害别人 所以什么都不做比较好 我不会同情你的 如果你这么害怕受伤害,那就什么都别做在这里等死吧 现在哭有什么用 你讨厌自己吧 所以才会伤害别人 因为你知道比起伤害自己伤害他人会更让你心痛 可是,那都是你自己做出的决定啊 这是有价值的事啊!真嗣君 这是你自己的事啊 不要找借口,想想自己能做的 想赎罪就由你自己去做吧 美里小姐你也一样 根本就是外人 明明就完全不了解我 我是外人又怎样 你打算就这么放弃吗 你现在什么都不做的话,我绝不会原谅你的 一辈子都不会原谅你的 现在你自己的想法不是绝对的啊 如果之后发现错了,就只有后悔 我就是这么一错再错的 就这么一再的重复上演着空欢喜与自我厌恶 但是,每经历过一次我就觉得自己又前进了一步 听好,真嗣 再一次坐上 EVA 去为这一切划上休止符 扪心自问乘上 EVA 的自己 你是为了什么而来的 又是为了什么会留在这里 去找出现在的你心里的答案 然后…一切了结后 一定要再回来哦 约定哦 嗯 去吧 这是大人的吻哦 等你回来后,我们再继续吧 早知道会这样… 就该听明日香说的 不把地毯换掉就好了 对吧?翩翩 加持君 我这样做对吗

EVA 25


やさしくしてよ

「だったら僕にやさしくしてよ!」
 シンジは自信の無い表情でアスカを見上げる。
「やさしくしてるわよ」
 ミサト、アスカ、レイ、三人の姿が重なる。
「ウソだ!!笑った顔でごまかしてるだけだ。曖昧なままにしておきたいだけなんだ!」
 シンジが自分の考えに篭ろうとする。
「本当のことは皆を傷つけるから。それは、とてもとてもツライから」
 レイの声が聞こえる。
「曖昧なものは……僕を追いつめるだけなのに」
「その場しのぎね」
 レイが感情の入っていない口調で答える。
「このままじゃ怖いんだ。いつまた僕がいらなくなるのかも知れないんだ。ザワザワするんだ……落ち着かないんだ……声を聞かせてよ!僕の相手をしてよ!僕にかまってよ!!」
 塞ぎこむシンジの後ろに、アスカ、レイ、ミサトが立っている。シンジは、自分が言い放った後の無言の空気に気づいて、とっさに振り返る。

 ミサトの家のキッチンで、アスカがテーブルの上に突っ伏して落ち込んでいる。
「何か役に立ちたいんだ。ずっと一緒にいたいんだ」
 シンジは後ろから回り込んでアスカに近づく。
「じゃあ、何もしないで。もうそばに来ないで。あんた私を傷つけるだけだもの」
「あ、アスカ助けてよ……。ねぇ、アスカじゃなきゃダメなんだ」
 そう言ってシンジはアスカに言い寄る。
「ウソね」
 アスカがシンジを睨みつける。
「あんた、誰でもいいんでしょ!ミサトもファーストも怖いから、お父さんもお母さんも怖いから!私に逃げてるだけじゃないの!」
 アスカは、椅子から立ち上がるとシンジに詰め寄って追い掛け回す。
「助けてよ……」
 アスカの気迫に負けて、シンジは後ずさりする。
「それが一番楽でキズつかないもの!」
 アスカは鋭い目つきで見据えながらシンジの後を追う。
「ねぇ、僕を助けてよ」
 シンジは困惑した表情で助けを求める。
「ホントに他人を好きになったことないのよ!」
 アスカは、大声を上げてシンジの胸を突き飛ばす。その反動で、シンジはコーヒーメーカーを巻き込んで倒れる。コーヒーが床に飛び散り湯気が吹き上がる。ペンペンは物陰からその様子を見守っている。
「自分しかここにいないのよ。その自分も好きだって感じたことないのよ」
 床に転がったシンジが身を縮める。
「哀れね」
 アスカは呆れた表情でシンジを見下ろす。
「たすけてよ……。ねぇ……。誰か僕を……お願いだから僕を助けて」
 シンジは力なくうなだれたまま、ゆっくりと立ち上がる。
「助けてよ……。助けてよ……。僕を、助けてよォ!」」
 シンジはテーブルに手を掛けるとひっくり返して暴れ始める。家じゅうに大きな音が響いてペンペンが驚く。
「一人にしないで!」
 シンジは椅子を投げ飛ばして叫ぶ。
「僕を見捨てないで!僕を殺さないで!」
 両手で椅子持ち上げて床に叩き付ける。
「……はぁ……はぁ」
 シンジは肩で息を切らせて膝をつく。
「イ・ヤ」
 アスカは冷たい目でシンジを見下ろす。
 突然、シンジは逆上すると、アスカの首に手を掛ける。そして、力を込めて絞め上げる。

Then why aren’t you kind to me? I am gentle. THAT’S A LIE! You’re just hiding behind those smiles! You just want to keep things ambiguous! Because the truth hurts everyone, it’s awfully painful. But ambiguity only makes me insecure. That’s just an excuse. But this way makes me scared, scared that I won’t know when I’ll be useless again! I feel awkward! I can’t stay calm! Let me hear your voice! Don’t leave me alone! Care about me! I want to be of help to you. I want to stay with you all the time. Then don’t do anything. Don’t come near me anymore. Because all you ever do is hurt me. Asuka, help me! Only you can help me! That’s a lie. You are fine with anybody! Since you’re afraid of Misato and the First… Since you are afraid of your father and mother… You’re only using me as an escape! Asuka, help me. That’s the least painful way to you! Hey, please help me! You’ve never loved anyone seriously! You’re all you have! But you’ve never even learned to like yourself! Pathetic. Help me. Someone, please… …I’m begging, so please help me. Help me. Help me. Help me! Don’t leave me alone! Don’t abandon me! Don’t kill me! No.

那么就对我温柔些吧 一直很温柔的啊 胡说 只是用笑脸敷衍我而已 只不过希望继续保持暧昧的关系而已 因为真相会伤害所有人 这是非常非常痛苦的 暧昧的关系只会把我逼上绝路 那场合下必须忍耐 我害怕再这样子下去 不定什么时候我又不被需要了 心里吵吵嚷嚷的 无法平静下来 让我听听声音吧 来陪陪我吧 来关心我吧 我想能帮你点儿什么 我希望能一直和你在一起 那,就什么也别做 别再靠近我 你只会伤害我而已 明日香,救救我 呐,只有明日香你能救我了 说谎 谁都可以吧 因为害怕美里和一号适格者 害怕父亲、母亲 明日香,救我吧 只不过是逃到了我这里而已 因为这样做最轻松而不会受伤害 呐!救救我吧 你从没有喜欢过别人 你心中只有自己 而你甚至都没有喜欢过自己 真可悲 救救我吧 来个人救救我 求求你救救我吧 救救我吧 救救我吧 来救救我吧 别抛下我一个人 不要抛弃我 不要杀我 不要

EVA 26


夢と現実

「判らない。現実がよく判らないんだ」とシンジは言う。
「他人の現実と自分の真実との溝が、正確に把握できないのね」とレイが言う。
「幸せが何処にあるのか、判らないんだ」とシンジは言う。
「夢の中にしか、幸せを見いだせないのね」とレイが言う。
「だからこれは現実じゃない。誰もいない世界だ」とシンジは言う。
「そう、夢」とレイが言う。
「だから、ここには僕はいない」とシンジは言う。
「都合のいい、作り事で現実の復讐をしていたのね」とレイが言う。
「いけないのか?」とシンジは言う。
「虚構に逃げて、真実をごまかしていたのね」とレイが言う。
「僕一人の夢を見ちゃいけないのか?」とシンジは言う。
「それは夢じゃない。ただの現実の埋め合わせよ」とレイが言う。

 満席の映画館。

「じゃあ、僕の夢はどこ?」とシンジは言う。
「それは、現実のつづき」とレイが言う。
「僕の現実はどこ?」とシンジは言う。
「それは、夢の終わりよ」とレイが言う。

 リリスの首筋から噴きだす血しぶき。その血は月にまで達する。リリスがゆっくりと倒れていく。
 満月を背にして微笑むレイの姿。裸のまま仰向けになったシンジの上に、レイが裸の状態で跨って覗き込んでいる。
「……綾波……ここは?」
「ここはL.C.L.の海。生命の源の海の中。A.T.フィールドを失った、自分の形を失った世界。どこまでが自分で、どこからが他人なのか判らない曖昧な世界。どこまでも自分で、どこにも自分がいなくなっている静寂な世界」
「僕は死んだの?」
「いいえ。全てが一つになっているだけ。これが、あなたの望んだ世界そのものよ」
 シンジが手に握っていたミサトのペンダントを離すと、ゆっくりと浮かび上がっていく。
「でも、これは違う。違うと思う」
 シンジはペンダントを見つめながら、自分の気持ちに気づく。
「他人の存在を、今一度望めば、再び心の壁が全ての人々を引き離すわ。また、他人の恐怖が始まるのよ」
「いいんだ……ありがとう」
 シンジはレイの手を取って握手をする。

 シンジは穏やかに揺れる水の中で、レイの足を枕にして寝転んでいる。手にはミサトのペンダントを握っている。
「あそこでは、イヤな事しかなかった気がする。だから、きっと逃げ出してもよかったんだ。でも、逃げたところにもいいことはなかった。だって……僕がいないもの。誰もいないのと、同じだもの」
「再びA.T.フィールドが、君や他人を傷付けてもいいのかい?」
 そう言ってシンジの前にカヲルが現れる。
「構わない。でも、僕の心の中にいる君達は何?」
 制服姿のシンジは、畑の上という、ごくありふれた風景の上に立つ。
「希望なのよ。ヒトは互いに判りあえるかも知れない……ということの」
 制服姿のレイがシンジの前に立つ。
「好きだ、という言葉とともにね」
 制服姿のカヲルが言う。
 シンジたちの足元に、無数の人の体が浮かび上がってくる。
「だけど、それは見せかけなんだ。自分勝手な思い込みなんだ。祈りみたいなものなんだ。ずっと続くはずないんだ。いつかは裏切られるんだ。僕を……見捨てるんだ」
 シンジの心境の変化と共に、景色が次々と変化していく。
「でも……僕はもう一度会いたいと思った。その時の気持ちは本当だと思うから」
 そして、みんなのイメージが浮かび上がる。

 リリスが首を後ろにもたげて倒れ込んでいく。リリスにあった光の羽根が消失する。そして、リリスの眼球を破って初号機が現れる。初号機は宙に浮かぶと、12枚の羽根を広げて雄叫びを上げる。その咆哮が地球の表面に立った光の十字架へ伝わっていく。エヴァ量産機が取り囲む黒き月に、子午線と経線を描くようにして赤い線が刻まれていく。黒き月から流れ落ちる赤い液体が、リリスの白い体を染めていく。黒き月が弾けとび、赤い光が地表に流れていく。そして、宙に浮遊しながら倒れ込んでいくリリスの身体が、溶けるようにして崩壊していく。

「現実は、知らないところに。夢は現実の中に……」とカヲルが言う。
「そして、真実は心の中にある」とレイが言う。
「ヒトの心が、自分自身の形を造り出しているからね」とカヲルが言う。
「そして、新たなイメージが、その人の心も形も変えていくわ。イメージが、想像する力が、自分たちの未来を、時の流れを……創り出しているもの」とレイが言う。
 首が溶けてもげ落ちたリリスの首が地表に落下する。
「ただヒトは、自分自身の意志で動かなければ、何も変わらない」とカヲルが言う。
 リリスの巨大な腕が地上に落下する。
「だから、見失った自分は、自分の力で取りもどすのよ。たとえ、自分の言葉を失っても。他人の言葉が取り込まれても」とレイが言う。
 光の羽を初って宙に浮かぶ初号機が、口からロンギヌスの槍を吐き出し両手でしっかりと握り締める。それを元の二股の槍の形に変化させると、槍は光を放って輝く。その光に反応するようにして、量産機に突き刺さった槍がぶくぶくと膨れ上がった後、破裂するようにして消滅する。
「自らの心で自分自身をイメージできれば、誰もがヒトの形に戻れるわ」とレイが言う。
 両腕を大きく横に広げたまま、地表に降りていく量産機。
「心配ないわよ。全ての生命には、復元しようをする力があるの。生きてこうとする心があるの。生きていこうとさえ思えば、どこだって天国になるわ。だって生きているんですもの。幸せになるチャンスは、どこにでもあるわ……」とユイの声が聞こえる。
 量産機が地上に降りていくと、それとは逆行するようにして、光の十字架が次々と上昇していく。光の羽根を折り畳んでいく初号機。そして光の羽は消失し、初号機の機体が化石のように黒く変化する。両腕を左右に広げた初号機は、地球より上昇してきた光の十字架に包まれながら、宇宙空間をゆっくりと進んで行く。
「太陽と、月と、地球が、ある限り。大丈夫……」とユイが言う。

 赤い海の中で、ユイがシンジの頬にそっと手を当てる。
「もういいのね?」
「幸せがどこにあるのか、まだ判らない。だけど、ここにいて……生まれてきてどうだったのかは、これからも考え続ける。だけど、それも当たり前のことに何度も気づくだけなんだ。自分が自分でいるために」
 ユイが赤い海に沈んで行く。シンジはユイを見つめて、海面に上昇しながら離れて行く。海面から頭を除かせたシンジは、目の前に転がる巨大なリリスの顔が、真ん中から縦に裂けていく光景を見つめながら考える。
「でも、母さんは……母さんはどうするの?」

 ユイの願い――
 湖畔の見える丘の大きな木の下で、冬月とユイは木陰で話をしていた。
「ヒトが神に似せてエヴァを造る。これが真の目的かね?」と冬月は言う。
「はい。ヒトはこの星でしか生きられません。でも、エヴァは無限に生きていられます。その中に宿る人の心とともに。たとえ、50億年経って、この地球も、月も、太陽さえなくしても残りますわ。たった一人でも生きていけたら……。とても寂しいけど、生きていけるなら……」
 ユイに抱かれた幼いシンジが、ユイの顔に両手を当ててじゃれる。
 冬月は、夏の光に照らされてキラキラと光る水面を見つめる。
「ヒトの生きた証は、永遠に残るか……」  宇宙空間を漂う初号機とロンギヌスの槍が、永遠の彼方へと遠ざかって行く。
 シンジはユイに最後の別れを告げる。
「さようなら……。母さん」

I don’t know. I don’t really understand reality. You can’t distinguish the border between someone’s reality and your truth. I don’t know where to find happiness. So you only find happiness in your dreams. Then, this isn’t reality, this world where no one exists. Right, it’s a dream. So, I’m not here either. This convenient fabrication is your attempt at a revenge against reality. Is it wrong? You escaped into imagination,\Nand distorted the truth. Is it wrong to have my own dream? That is not a dream. It would just be compensating for reality. So, where’s my dream? It’s a continuation of reality. Where’s my reality? It’s where the dream ends.

我不清楚 我不大明白现实 他人的现实与自己的真实之间的鸿沟 你无法正确把握吧 我不知道幸福究竟在哪儿 只有在梦中才能找到幸福吧 所以这不是现实 而是没有任何人的世界 对,是梦 所以,我也不存在于这里 你只是编造能使自己安心的借口,这样来对现实进行报复 不行吗 你是在虚幻之中逃避真实吧 不能做只有我自己的梦吗 这并不是梦 只是用以补偿现实而已 那我的梦在哪儿 那是现实的延伸 那我的现实在哪儿 那是梦的终结

绫波 这儿是 这儿是 LCL 之海 生命之源的海洋之中 失去了 A.T.Field,失去了自己的形体的世界 无从知晓何处是自己,何处是他人的 暧昧的世界 各处都是自己,而各处都不存在自己的… 脆弱的世界 我死了吗 不 只是全都合而为一了而已 这正是你所期望的世界 但是不对 我觉得不对 如果现在再次期望他人的存在 心之壁将再次将人们分隔开 对他人的恐惧又将重现 没关系 谢谢 我觉得那儿好像净是讨厌的事情 所以才觉得逃出来会好的 可是我逃到的地方却也没遇到什么好事情 因为… 没有我自己 和谁也不存在是一样的 A.T.Field 再次伤害你和他人也没关系吗 没关系 不过,在我心中的你们到底是什么 是希望 人或许能够互相理解 和“我喜欢你”这话一样 不过那都是装给别人看的 只不过是自己的一厢情愿 就像是祈祷一样 不可能一直持续下去的 总有一天会被他人背叛的 他人会抛弃我的 但是 我还想再见一次 因为我觉得那时的心情是真实的 现实存在于未知中 梦存在于现实中 真实存在于心中 因为人类自身的形象是由人的心所塑造 而新的意象 将改变人的心灵和形态 意象、想象力、我们的未来,是凭借时间的洪流而开拓的 只是,人类不靠自己自身的意志去行动 什么都不会改变 所以失去了的自我 只能靠自己的力量寻回 即使是失去了自己的观点,或被他人的言论所迷惑也是一样的 只要能用自己的心去创造自己的形象 任何人都能恢复人形 不用担心 所有的生命都有着复原的力量 都有希望活下去的心 只要能想着活下去 无论哪儿都能成为天堂的 因为,我们还活着啊 哪儿都有获得幸福的机会 只要太阳、月亮,还有地球存在 就没问题 已经没问题了吧 幸福究竟在何方 我还是不明白 但是 存在于此处 出生到这个世界上的意义 我今后还会继续思考的 不过 我发觉到这些都是理所当然的事情 为了能靠自己活下去 但是,妈妈你… 妈妈你要怎么办 人类仿造神造出了 EVA 这才是真正的目的吧 嗯 人类只能在这颗星球上生存 但是 EVA 可以无限地生存下去 和寄宿于其中的人的心灵一起 就算是过了五十亿年 地球和月亮 甚至太阳都消失了,EVA 也会存在下去 即使只有一个人活下来 虽然会非常孤寂,但只要继续活下去的话… 那样人类曾存在过的证据就会永远地留存下去吧 再见了,妈妈

EVA 26

二人の自分

シンジ:誰? シンジ:誰? シンジ:碇シンジ。 シンジ:それは僕だ! シンジ:僕は君だよ。人は自分の中にもう一人の自分を持っている。自分と言うのは常に2人でできているものさ。 シンジ:2人? シンジ:実際に見られる自分とそれを見つめている自分だよ。碇シンジと言う人物だって何人もいるんだ。 シンジ:君の心の中にいるもう一人の碇シンジ、葛城ミサトの心の中にいる碇シンジ、惣流アスカの中のシンジ、綾波レイの中のシンジ、碇ゲンドウの中のシンジ。 シンジ:みんなそれぞれ違う碇シンジだけど、どれも本物の碇シンジさ。君はその他人の中の碇シンジが恐いんだ。 シンジ:他人に嫌われるのが恐いんだよ! シンジ:自分が傷つくのが恐いんだよ。 シンジ:悪いのは誰だ? シンジ:悪いのは父さんだ!僕を捨てた父さんだ! シンジ:悪いのは自分だ! シンジ:何もできない自分なんだ! シンジ:嫌いだと思う。でも今は分からない。 シンジ:父さんが、僕の名前を呼んだんだ。あの父さんに誉められたんだよ! シンジ:その喜びを反芻して、これから生きていくんだ? シンジ:その言葉を信じたら、これからも生きていけるさ! シンジ:自分をだましつづけて? シンジ:みんなそうだよ、誰だってそうやって生きてるんだ。 シンジ:自分はこれでいいんだ、と思いつづけている。でなければ生きていけないよ。 シンジ:僕が生きていくには、この世界には辛い事が多すぎるんだ。 シンジ:たとえば、泳げないこと? シンジ:人間は浮くようにはできていないんだよ! シンジ:自己欺瞞だね。 シンジ:呼び方なんか、関係ないさ。 シンジ:嫌なことには目をつぶり、耳をふさいできたんじゃないか! シンジ:嫌だ!聞きたくない! シンジ:ほら、また逃げてる。 シンジ:楽しいことだけを数珠のように紡いで生きていられるはずが無いんだよ、特に僕はね。 シンジ:楽しいこと見つけたんだ。楽しいこと見つけて、そればっかりやってて、何が悪いんだよ!

Who’s there? Who’s there? Shinji Ikari. That’s me. I am you. People have another self within themselves. The self is always composed of two people. Two people? The self which is actually seen, and the self observing that. There are many entities called Shinji Ikari. The other Shinji Ikari that exists in your mind. The Shinji Ikari in Misato Katsuragi’s mind, the Shinji in Asuka Sohryu, the Shinji in Rei Ayanami, and the Shinji in Gendo Ikari. All are different Shinji Ikaris, but each of them is a true Shinji Ikari. You are afraid of those Shinji Ikaris in other people’s minds. I’m afraid of other people hating me. You’re afraid of being hurt. Who is at fault? Father is the one who is at fault. The father who deserted me. It’s my fault. There you go, always immediately thinking that it’s your fault! That’s why I say you’re self-deprecating! I can’t do anything. You just believe that you can’t do anything. Don’t you have faith in your father? I think I hate him, but now I’m not sure. Good work, Shinji. My father called me by my name. I was praised by my father! You’re going to spend the rest of your life ruminating on that happiness? If I believe in those words, I can keep on living. As you continue to deceive yourself? Everybody does it! That’s how everyone survives. Believe that you’re fine with the way things are, or you won’t be able to keep living. There’s too much hardship in this world for me to keep living. For example, the fact you can’t swim? Humans aren’t made to float! That is self-deception. I don’t care what you call it! You’ve shut your eyes and turned a deaf ear to the things you don’t like. His sister was injured during the incident. Who cares what the others say?! Leave! No, I don’t want to hear this! See? You’re running away again. There’s no way you can live by linking just the enjoyable moments like a rosary. Especially not me. I’ve found something I enjoy! Finding something you enjoy and doing nothing but that… What’s wrong with that?!

谁 谁 碇真嗣 那是我啊 我就是你 人在自己心中还有另一个自己 所谓的自己总是由两个人组成的 两个人 现实中被人看着的自己 还有看着自己的另一个自己 碇真嗣这个人物也有很多个 在你心里的另一个碇真嗣 葛城美里心中的碇真嗣 惣流·明日香心中的真嗣 绫波丽心中的真嗣 碇元度心中的真嗣 大家虽然各自都是不同的碇真嗣 不过,每一个都是真的碇真嗣 你就是害怕别人心中的碇真嗣 我害怕被别人讨厌 其实你是害怕自己会受伤 那是谁的错呢 错的人是爸爸 那个抛弃我的父亲 错的人是我自己 你就是这样马上就认定自己不对 这就叫作自罪 我什么都做不到 那是你自己认为什么都做不到吧 你不相信你父亲吗 我以为我讨厌父亲 不过现在我不清楚 干的好,真嗣 爸爸叫了我的名字 我被爸爸称赞了呢 你想要反复咀嚼着这句话的快乐继续活下去吗 只要相信这句话 今后我也能活得下去 继续欺骗自己 大家都是这样啊 无论是谁都是这样活着的 那你就继续认为自己这样就好 否则你会活不下去的 因为要活下去的话 这世上痛苦的事情实在太多了 例如不会游泳的那件事 人天生就浮不起来啊 这是自我欺骗 不管你怎么说我都没关系 对讨厌的事情你不就是遮住眼睛 捂住耳朵活到现在吗 上次那场混乱当中那家伙的妹妹受伤了 这跟别人没有关系吧 滚回去 不要!我不想听 看吧,你又在逃避了 只把快乐的事情像念珠那样串在一起 是没有办法活下去的 尤其是我 我找到了快乐的事情 找到快乐的事情 然后只做那件事 又有什么不对


名言

真実の痛み

本当のことは結構、痛みを伴うものよ。それに耐えなきゃね Truth is, reality can be quite painful, but we just have to bear it. 真实总是伴着相当程度的痛苦的,得学会承受。

EVA 26

夢の終わり

「じゃあ、僕の夢はどこ?」 「それは、現実のつづき」 「僕の現実はどこ?」 「それは、夢の終わりよ」

So, where’s my dream? It’s a continuation of reality. Where’s my reality? It’s where the dream ends.

那我的梦在哪儿 那是现实的延伸 那我的现实在哪儿 那是梦的终结

EVA 26

ヤマアラシの距離

大人になるってことは、近づいたり離れたりを繰り返して、お互いが余り傷つかずにすむ距離を見付け出す、ってことに。 Growing up means getting closer to people and distancing them, finding a distance where you can avoid hurting each other too much. 所谓的成长,就是经过不断的聚散离合,找到不太会伤害到彼此的距离。

EVA 03

進化の終着地点

進化の終着地点は自滅、死、そのものだ。 The end of evolution is self-destruction. Death itself. 进化的终点就是自我毁灭,就是“死”。

EVA 13

一歩を踏み出さないと

逃げてばかりじゃだめよ。自分から一歩を踏み出さないと、何も変わらないわ。 これから分かるのよ、最初の一歩だけじゃなく、その後に続ける事も大切だって事が。

You can’t keep running away. Unless you take that step forward, nothing will change. You’ll begin to realize, after that first step, it’s just as important to keep going.

不可以老是逃避。自己不主动跨出第一步的话,什么也不会改变的。 从现在起就该好好想想,不只是最初的开始,之后的事情也很重要。

EVA 15

忘れる事

人は思い出を忘れる事で生きていける。だが、決して忘れてはならない事もある。 ユイはそのかけがえのないものを教えてくれた。私はその確認をするためにここへ来ている。 すべては心の中だ。今はそれでいい。

Man survives by forgetting his memories, but there are some things a man should never forget. Yui taught me about the irreplaceable things. I come here to confirm that. I keep everything in my heart. That is enough for now.

人类必须忘记回忆才能活下去,但是有些事则是绝对不能忘的。 唯让我知道了那个无可取代的事物,我就是为了确认这件事而来到这里。 一切都存在于内心中,现在只要这样就够了。

EVA 15

変えようとする力

いやぁ、変わってるさ。生きるって事は、変わる、って事さ。 ホメオスタシスとトランジスタシスね。 今を維持しようとする力と変えようとする力。その矛盾する二つの性質を一緒に共有しているのが、生き物なのよ。 男と女だな。

Of course I’ve changed. To live is to change. Homeostasis and transistasis. One is a force for the status quo, and the other’s a force for change. A living thing is something that has both of these conflicting qualities. Like men and women.

不,我变了。活着就表示在变化。 正如自我平衡与瞬态平衡 - homeostasis(自我平衡)和transisstasis(瞬态平衡) 维持现状之力与改变现状之力 同时拥有这两种矛盾性质的东西才称为生物 是指男人和女人啊

EVA 15

水を撒くことしか

シンジ君、俺はここで水を撒くことしかできない。だが、君には君にしかできない、君にならできることがあるはずだ。 誰も君に強要はしない。自分で考え、自分で決めろ。自分が今、何をすべきなのか。 ま、後悔のないようにな。

Shinji, the only thing I can do is stand here and water. But you, you have something that you can do. That only you can do. Nobody is forcing you. Think for yourself, and make the decision by yourself. Think about what you ought to do now. You know, so you don’t have any regrets.

真嗣,我只能在这里浇水 不过有一件只有你才能做 并且只要是你就一定能做到的事 没有人强迫你 自己思考,自己决定自己现在应该做什么 总之,别让自己后悔

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